サクラノコエ

「悠人くん」

いつものように嬉しそうに手を振る理紗。

「どうした? なんかあったのか?」

俺がそう尋ねると、理紗は小さく首を振り

「もう少しだけ、悠人くんと一緒にいたかったから」

と、恥ずかしそうに笑う。

「まさか、あれからずっとここにいたのか?」

「うん」

「一回家に帰ってメールくれればよかったじゃん。寒かっただろ」

「だけど、待っていたかったから」

「そっか」

言いながら、なんとなく理紗の頬に触れてみた。

「冷て……」

こんなに体が冷えてるのに……

俺と一緒にいたくて、何時間も俺のことを……