サクラノコエ

中原の教室は、幸い定時制の授業では使われていない場所らしい。

シーンと静まり返った廊下を歩く俺たちの足音が妙に響く。

中原と学校で並んで歩くなんて、変な感じだ。

「松永さん」

「ん?」

「大丈夫ですか?」

「え? なにが?」

「最近、とても疲れているみたいなので」

まただ。

なんだか分からないが、最近やたらと人にそう言われる。

「そうかな?」


「そう見えます」

確かに体はダルいけど、別に疲れている意識はないんだけど……