サクラノコエ

「ノート…に……」

結局、その話を切り出したのは理紗自身からだった。

そのきっかけをうまく作ってやれなかった自分が、情けない。

「他の人格との交換ノートのこと?」

俺の問い掛けに、理紗は小さく頷き、俯いたまま途切れ途切れに言葉を発する。

「他の人格に、彼が……出来たって書いて、あったの。か、彼とキスしたとか…も、もっと色々書いてあって」

「え……?」

理紗の告げた言葉に、思わず身震いした。

「この体、私だけの物じゃない。だけど……私の知らないうちに他の人に触れられてるって思ったら、どうしていいのか、分からなくなって。もう会わない方がいい…かもしれない……って」

なに動揺してんだ……

これは、理紗が二股をかけたわけじゃない。

理紗とは全く違う人格の話じゃないか。