サクラノコエ

ボクさんの話によれば、愛ちゃんは真衣の辛い経験を一人で抱え込んでいる人格。怖がらせてはいけない。

「ずっとお兄ちゃんを待っててくれたの?」

俺は腰を落とし、桃香に話しかけるときのような口調で愛ちゃんに向けて話しかけた。

すると愛ちゃんは安心したのか指しゃぶりを止め、小刻みに何度も頷いた。

「どうしたの? お兄ちゃんになにか……」

「りさちゃん……ないてる」

「え?」

「『あいたい』」

愛ちゃんは無表情のままそう言うと、グッと強く目をつむり、しばらく動きが止まった。


もしかして、これは……