サクラノコエ

ところが、頭を抱えてガクリと肩を落とす俺の背後に妙な視線を感じ、反射的に振り返ると、少し離れた駐車場の植え込みに理紗らしき姿が見える。

「理紗!」

俺は理紗の名を呼びながら慌てて駆け寄った。しかし、理紗は更に怯えるように木の陰に身を潜める。

そんな理紗の態度を少し不思議に思いながらも、理紗との距離を縮め

「良かった……帰ってなかったんだな」

と、顔を覗き込んだ。

すると、理紗はますますオドオドと落ち着かなくなり、今度は指しゃぶりを始めた。

理紗……じゃないのか?

このしぐさ、前にも見たことがある。

そうか。この子……

「愛ちゃん?」

その問い掛けに愛ちゃんは小さく頷く。