サクラノコエ

「これでシワにならないだろ?」

「ありがとう」

「そうだ。この子にお礼の手紙書こ!」

「ホント!」

「うん。あ、それ、もう一回貸して」

カバンにクリアファイルをしまい、お絵かき帳を再び受け取る。

「この子、なんて名前?」

「わからない。いつも名前書いてないから」

「名無しかぁ……名無しは可哀想だな。勝手に名前付けたら嫌がるかな?」

「ううん! 悠人くんが付けてくれたらきっと喜ぶと思う!」

俺の思い付きに理紗は目を輝かせる。