サクラノコエ

「……なさい」

ところが予想に反して、突然その目からボロボロと涙がこぼれはじめ、蚊の鳴くような小さな声が聞こえてきた。

「悠人くん。ごめんなさい」

理…紗?

「私、元の人格じゃないの。私は真衣の中に生まれた一つの人格で……」

ようやく現れた理紗は、今までルミやボクさんが出てきたことには全く触れず、俺との話の続きをしているようだった。

もしかしたら、ルミやボクさんとの記憶の共有はないのかもしれない。