「なん…で? なんで松永さんと私が?」

まただ。微妙だけれど声が違う。

先ほどの舌っ足らずな話し方ではないけれど、混乱しているとはいえ、妙にオドオドしていて声も小さい。

表情も、いつもの理紗とはまるで……

「なに言ってんだよ。さっきからずっと一緒だっただろ?」

「え?」

「一緒に飯食って、プリクラ撮って……ほら」

言いながら、ゲーセンで早速ケータイに貼った先ほどのプリクラを見せる。

俺のことはわかっているみたいだけど、俺と一緒にいることに対して理解できていないのか?

一時的な記憶喪失?

まさかな……そんなドラマみたいなこと。