サクラノコエ

「理……紗?」

恐る恐る理紗の名前を呼んでみた。

すると、理紗はそのまま呟くように

「ないたらダメ」

と言葉を漏らした。

いつもより微妙に高く、少し舌っ足らずで幼い話し方。

「ないたらまた『はこ』だよ」

「箱って……お前……」

俺の声に反応するように、理紗は目線だけこちらへ向けてこちらを見て、首を傾げる。

虚ろな目つき。

見たこともない理紗の表情。

今まで感じたことのない強い違和感。