サクラノコエ

「いい加減にして! いくら泣いてもダメなものはダメ!」

母親に叱られ、ますます大声で泣き叫ぶ子供。

「わからないなら、いつまでもそこで泣いてなさい! ママは帰るからね!」

母親はそう言い捨てると、言葉の通り自転車を漕ぎ出し、こちらに向かって走ってきた。

今にも吐いてしまうのではないかと思うほど、オエオエとむせかえりながら、さらに激しさを増す子供の泣き声。

俺たちはそのあまりの激しさに、今までの甘いムードも忘れて、呆然と親子の様子に見入ってしまった。

「すげぇな」

いけないと思いながらも、ついそんな言葉がこぼれてしまう。