サクラノコエ

「どした?」

急に深刻な様子の理紗に、俺も真面目な声で尋ねる。

「私もこんなふうに悠人くんとなるって考えてなかったから」

「え? そうなのか?」

「あのときは、ただ、手紙を渡して名前を覚えてもらいたかっただけで、その先のことはなにも考えてなかったの。だから、あの日学校の前で偶然会わなかったら、もしかしたら、メールもそれほど送らなかったかもしれない」

不思議なことを言い出す理紗。

名前を覚えてほしかっただけって、なんだ?

普通あんなふうに手紙を渡す場合は、『友達』からというのは単なるきっかけで、大抵あわよくば恋愛に発展させたいという思いが潜んでいるものではないのだろうか?

学校の前で会わなかったら、手紙だけ渡しておいてあとは放置するつもりだったのか?

からかうつもりだったとか……