サクラノコエ

「迷うなぁ~! どれもおいしそう!」

「この駅に住んでんのに、マジであまり来ねぇんだ?」

理紗は店を選ぶのに夢中なのか、俺の質問にやや上の空で「うん」と返事をした。

と、次の瞬間、急にイタリアンレストランの前で立ち止まり

「あ! これ! これキレイ!」

と、興奮した声を上げる。

なるほど。

トマトの赤。バジルの緑。チーズの黄色。

色鮮やかなサンプルが並び、確かに目を引く。

一般的に女はイタリアンが好きだが、理紗も例外ではなさそうだ。