サクラノコエ

「本当?」

「見てみ」

自信なさげな理紗に、側に置いてあった鏡を見るよう促す。

「な!」

「これ一つでずいぶん感じが変わるんだね。悠人くんって、女の子のオシャレにも詳しいんだ」

言いながらしげしげと鏡を覗き込む理紗。相手によっては嫌味に聞こえる言葉だが、理紗は素直に感心しているようだった。

「ちょっと貸して」

「うん」

理紗からネックレスを受け取り、さり気なくキャッシャーに向かう。

「あれ? 戻さないの?」

理紗が俺のシャツの裾を軽く掴み、戸惑った表情で俺を止めた。

「うん」

俺はニッコリと笑ってみせると、手前で理紗に待つように言い、再びキャッシャーに向かった。