サクラノコエ



駅前に着いたのは4時30分を少し回ったころ。まだ夕飯には早かったが、暑さに堪えられず、とりあえずデパートの中に入った。

ドアを開けると蒸し風呂のような外気から一変して、クーラーによって冷やされたデパート内の冷たい空気がフワッと通り抜け、あまりの気持ちよさに俺は思わず大きく息を吸い込んだ。

チラッと横を見たら同じタイミングで理紗も同じ動作をしていて、なんだか笑えた。

「ちょっと2階、行くか」

「うん?」

2階はレディースのアクセサリーや、ファッショングッズのフロアだ。

何気なくブラつきながら、俺は秘かに今日の理紗のワンピースに似合いそうなネックレスがないかと探していた。

あまり高い物は買えないが、カジュアルな物ならそんなに出さなくても買ってあげられるだろう。