サクラノコエ

あいつらバカか!? こんな時間にコンビニの前で女に声なんか掛けんなよ!

「おい!」

俺はそう声を掛け、少し速度を落として歩きながら理紗とそのガキ共に近付いていった。

こういうとき、背がバカでかいというのは意外と得なものだ。

このでかい図体で、ちょっと睨み付けながら見下ろすと強そうに見えるらしく、大抵向こうがビビり、大がかりなケンカを回避することが出来る。

「こいつになんか用?」

例によって上から睨み付けながら、少し低めにした声でガキ共に尋ねると

「いや、別に」

と口ごもって言い、じりじりと俺たちの前から離れていった。

思わずため息がひとつ漏れる。

「あ、ありがとう」

背後から小さく聞こえる理紗の声。

「別にいいけど、お前さ……」

言いながら振り返って、ドキッとした。

そこに立っていた理紗が、いつもと別人のようだったからだ。