「なに? 美奈も私が悪いって言うの?」

感情が高ぶり泣き出す姉ちゃん。

「悪くないってことはねぇだろ!」

それでも怒りが収まらなくなって、止まらなくなってしまった俺。

「大体姉ちゃんはさ……」

更に勢いに任せて姉ちゃんを攻撃しようとしたところで、2階から桃香の激しい泣き声が聞こえ、俺は咄嗟に言葉を飲み込んだ。

「桃、起きちゃったでしょ! バカ!」

美奈はこの時を待っていたかのように、俺たちに強い口調でそう言い捨てて桃香の名前を呼びながら小走りで2階に上がっていった。