サクラノコエ

「ま、松永さ……ご、ごめん…な…さい。今、メール……見て」

激しく息を切らして少し咳き込みながら、そう言い俺を見上げる理紗。

理紗。

理紗。

理紗。

理紗が来てくれた喜びなのか、なんなのか、俺の心の中が理紗の名前で埋め尽くされていく。

「お前……走っても大丈夫なのか?」

「え? う、うん」

理紗は俺の質問の意味が分からないというような顔をしている。

今の言葉に、敏感に反応しなかったということは、命に関わるような病気を持っているとかそういうことではないのかもしれない。

理紗の悪い状況を考えてばかりいた俺は、理紗のいつもと変わらない姿になんだか胸がいっぱいになってしまい、喜びと安心から気付けば理紗を抱き寄せてしまっていた。