サクラノコエ

そういえば──

俺が理紗を待つことは初めてだ。

今まで、理紗が俺を待つのが当たり前だったからなんとも思っていなかったけれど、約束がない分、理紗は毎回こうやって俺がコンビニのある道を通るのか不安に思いながら、俺のことを待ってくれているのかもしれない。

俺の顔を見てあんなに嬉しそうに笑うのは、会えたことよりも、ちゃんと来たことに対してホッとしているからかもしれない。

メール機能を呼び出し、理紗からのメールが止まっていないかと確認するため[問い合わせ]ボタンを押してみる。

問い合わせ結果は、やはり[0件]

胸がグッと締め付けられ、ケータイを握る手に思わず力がこもる。

理紗。

なにやってんだよ。

理……

ふっとこちらに向かって走ってくるような足音が、微かに耳に届く。