4つ目の角を曲がる。

約束の路地が見えてきた。

理紗は――

見えない。

どこかに隠れているのか?

理紗と別れた路地に着くと、走って痛くなった横っ腹をさすり、激しく上がった息を整えるため深呼吸を繰り返しながら理紗の姿を目で捜した。

しかし、どれだけ辺りを見回してみても、やはり理紗はいない。

落胆から大きな溜め息がひとつ漏れる。

夏の蒸し暑さと、走ったことにより吹き出した汗が、額をつたってポタポタと流れ落ちて来るのを手で拭い、再びケータイを開いてみた。

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