サクラノコエ

ふと、前に約束のことを尋ねたときに俺の頭に浮かんだ勝手な想像(理紗が嫌な女たちにいじめられてたという)を思い出し、先ほどとは違った意味で少し鼓動が早くなった。

「なぁ……あいつ、友達っていんのかな?」

「あまりいなかったっぽい」

やはり真衣しか仲のいい友達はいないのか?

引っ越してきたことで、まわりにうまく馴染めなかったのか?

もしかしたら、俺の想像通りのことがあったのだろうか?

「たぶん松永さんのお陰っすよ」

「え?」

「あいつの性格が明るくなったの。中学のときは、笑ってるトコとか見たことなかったっすから」

「そ、そうか?」

田端の言葉通り、俺の影響で理紗が変わったんだとしたら、それは素直に嬉しい。

……が、元々理紗を知っているのだから仕方がないのかもしれないけれど、田端が理紗を「あいつ」と呼ぶのには、正直ムカついた。