サクラノコエ

「それだけ?」

「それだけ……っす」

さらに続く追求に、田端の目がさらに動揺丸出しで落ち着きなく動き始める。

「それだけじゃねぇだろ? それだけでそんな顔はしないだろ?」

「マジで関係はないんす。顔は知ってるけど、あのときまで話したこともなかったし……小学校までは別の所で、中学入学からこっちに来たらしいって聞いた事はあるっすけど」

田端のその言葉に、ウソは感じられなかった。

そうだよな。

落ち着いて考えれば『田端が理紗の元カレ』なんて、そんなことあるわけないのに。

気負って田端を追求していた自分が急に恥ずかしくなる。

いや、待てよ……

それなら田端はどうして理紗のことを尋ねただけで、こんなに動揺するんだ?

やっぱりなにか……