サクラノコエ

田端が理紗と関係があったって、理紗は俺の彼女じゃないし責められる立場ではない。と分かってながら、なんだか分からないモヤモヤが常に俺を支配してしまい、仕事中に上の空になってしまうこともあり……

このままではいけないと、フライング気味ではあるが、一足先に田端に確認をとろうと思ったのだ。

もし、二人が特別な関係じゃないにしても、分からないことだらけの理紗のことが少しは分かるのではないかという期待もあった。

「あのさ……」

頭の中がそのこと一色だった俺は、田端がイスに腰を下ろすのも待たずに、早速のように話を切り出そうとした。

しかしそれと同じタイミングで、俺の声をかき消すほどの大きな声で、田端が言葉を発した。

「も~! 松永さん、聞いて下さいよ! マジ最悪っすよ~!」

一刻も早く事実を知りたいのだが、身を乗り出してもの凄い勢いで話を遮られてしまい、この話を聞くまでは田端が俺の話に耳を傾けてはくれないだろうと、とりあえず田端の話を聞いてやることにした。