サクラノコエ

「やっぱり松永さんだ! 似てるなぁと思いながら店の中で見てたんすよ」

面倒くせぇ奴に会ってしまった……

「なんだよ、お前。なんでこんなトコにいんの?」

「学校の帰りっす。家、この裏なんで」

田端は俺と話しながら、ふと、俺の後ろに隠れ気味になっていた理紗の存在に気付いたらしく

「あ! 松永さんの彼女さんっすか!」

と、俺の体越しに無遠慮に理紗の方を覗き込んできた。

いきなり話の矛先が自分に向いて、理紗は少し驚いたようだったが、その質問に対してまったく動じることもなく

「いえ。全然そんなんじゃないです」

と、笑顔で言葉を返した。