ほら、やっぱり。
仕事を終え、いつものコンビニに足を向かわせてみると、やはり理紗は店の前に立っていた。
いつもなら角を曲がったあたりですぐに俺に気付き、恥ずかしいくらい手を振って来るのだが、今日はなんだか反応が悪い。
まぁ、原因は多分アレだろう。
あまり遠くから手を振るのも恥ずかしいし、少し近付いてから軽く手を上げると理紗はもの凄い驚いた顔をした。
やっぱり、俺だと気付いていなかったらしい。
「お前。シカトすんなよ」
「だって、髪型全然違うから」
就職活動に向けて自分に気合いを入れるため、昨日、教習所の申し込みの帰りに少し長めにしていた髪を短く切り、色も黒に戻した。
髪を切ったら別人みたいに雰囲気が変わったと、バイト先の主婦さんたちに言われたが、理紗もそう感じているようだ。