サクラノコエ

「そっかぁ! よかったなぁ」

「あれ? おかえり。デートじゃなかったの? ずいぶんお早いお帰りで」

桃香のお陰でせっかく和んだ気持ちをぶち壊したのは、奥から出てきた母さんのウザい物言いだった。

「うぜぇなぁ! 放っとけよ」

「わぁ~! 反抗的」

基本的に母さんはとても大らかな人なんだと思う。昔から俺がイライラしてこんな言い方をしてもサラッと受け流す。

たまに怒るときは鬼みたいに恐いけれど……

「ゆうちゃん こわいおかお ダメでしょ」

俺に抱っこされたままの桃香が、俺の顔を覗き込んでそう言う。

「そうよ~」

それに便乗するウザい母。

舌打ちをして、そんな母親を睨む俺。