「とりあえず自己紹介するわね。私は部長の藤澤藍那!」
どうやら仲裁に入ってきた人は部長らしい。
この人も美人だ。
「んで、さっきからソファに座ってるのが、副部長の倉持佳奈!」
そうか…さっきのフワフワした先輩は佳奈さんっていうのか…


続いて藤澤先輩はつらつらと演劇部について説明を始めた。

ここで俺は気付いた。
これ…無理矢理な勧誘なんだ…

ふと夏巳を見ると、つまらなそうに窓際に体育座りしていた。

「…と言うことで、今我が演劇部では、男の役者がいないのよね…だから、桐谷君には美咲ちゃんの推薦もあるし!演劇部に入って欲しいんだ!!」
「えっと…事情はわかりました。でも、俺演劇とかやった事もないですし…正直…興味自体あまり…」
「そうよね…でもね、これお願いじゃないのよ。美咲ちゃんの推薦だから、ほぼ強制…♪」