その頃のオレはまだ小さかったから、【面接】の意味がよぉわからへんかった。 けど後になって、オカンのその時の格好が、面接には不似合(過ぎる)ゆう事に気ぃついた。 派手な着物に羽織姿。 指にはデッカイ立爪のキラメクダイヤ。 小雨の中、蛇の目傘さして出掛けて行った。 まるでどこぞの〝組″の姐サンやぞ。 面接官がビビリながら最初に聞いたんは、亭主の仕事やったそうな(やっぱり組のもんやと思とったそうや)。