「なななな、なんでオカン、ここにおるんや!?」 「子供の晴れの入学式やで。親が来んでどないするねん!」 バーンと腹の辺りの帯を叩きながら、オカンは肩で風切って歩き出す。 そう。 オレは入学式の日を隠しとったんや。 高校にもなってオカンが入学式に来るなんて、男竜太郎の名が恥じる。 それに、年齢的に親と距離をおきたい時期やし、何故かイヤ~な予感がしとったからや。 せやのに、どこでどう知ったのか …‥オカンはやって来た(涙)。