オカンの館

 
「ほんなら龍ちゃん鬼やで。10数えてや!」

「ア~イ!」


素直な龍之介は目を閉じて、


「イ~チ、ニ~イ、サ~ン…‥」


ゆっくり数える。


せやけど、10まで数えた時には美代らぁの姿はなかった。