オカンにもイライラ、電話にもイライラしながら、オレは眠い声でモシモシの第一声を出した。 「竜太郎君? ごめんな、こんな夜中に」 相手は義理の兄、俊さんやった。 「どないしたん? 義兄さん」 「今、病院なんや。奈美が急に産気づいて」 「エ゙ッ!?」 「もうすぐ産まれるかも」 オレはその言葉を聞くとすぐ電話を切り、オカンを叩き起こした。