「ごめんね、鵜木くんのこと、捜してたのね…」


端正な顔を赤くしながら、先輩は綺麗に泣く。
その顔には後悔や悲しみが浮かんでいて、見ている俺達は胸が痛くなった。


「でもね、相談してほしかったよ」


そして、先輩はきつく擁一郎を睨みつけた。


刹那、


俺と朽木は、泉士先輩に胸ぐらを掴まれ、先輩の方へ引き寄せられた。


「「え!?」」


俺と朽木が突然のことに疑問符を浮かべていると、先輩はニヤリと笑い、俺達3人に言い放った。


「鵜木くん達を、救出する」


不良に殴り込みに行くと言うのか。
可愛い顔をした男ばかりを狙う奴らなんて、おかしな奴らに決まってるじゃないか。


先輩は、綺麗な顔に綺麗な笑みを浮かべた。


「雛春を、おとりにするわよ」






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