あの一件があってから、俺と朽木の距離は急速に縮まった。

朽木は学校に毎日来るようになったし、クラスの奴らとも打ち解けてきたし(なんか腹立つけど、朽木が楽しそうだから何も言えねぇ)。

何より、よく笑うようになった。

初めこそ緊張からか微笑む程度だったが、今となってはその大人しさが恋しくなるほどだ。

正直、幸せだ。
平穏かつ温厚かつ平和な毎日に生きて、馬鹿みたいな雑談をして、馬鹿みたいに日々を終える。
それが幸せだったのだ。


だからこそ、俺達は気付けなかったのかも知れない。



この街の不穏な空気や、この学校の激しい変化を。





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