勝手に門を開けてそいつに近づく。
近づきながら「朽木雛春、お前の姉ちゃんいるか?」と聞くと、案の定そいつは肩をびくりと震わせながら、10センチ以上高い俺の顔を見上げながら、
「す、雛春は自分ですが、?」
と一言。
まさか、と思って「は?」と言うと、そいつは案の定肩を震わせた。
顔が見える距離に来て分かった。
中性的な顔をした少年はかなり可愛い。
こんなやつが同じクラスにいたなんて、ちっとも知らなかった。
いや、不登校だから見たことなくて当然か。
生唾を飲み込み、ごくりと喉が鳴る。
自分は、何をしてるんだか。
驚きからか、戸惑いからか、つい変な自己紹介をしてしまった。
「どうも、笹田彰です」
――ああ、どうしてこうなった。
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