「不登校?」


高校に入ってから聞かなくなった不登校という言葉で、淡々と続いていた会話を中断させるほど驚いてしまった。

自分が生徒会長をしている学校に不登校がいたなんて、と少しショックを受けてしまった。(俺は意外と傷つきやすいんだ)

そして強く携帯を握り、仲茅へと鬱憤をぶつける。


「そんなもん誰が許すかよ。女だろうと容赦しねぇからな。引っ張り出してやる」

『…は、女だろうとって!ちょ、彰!ストップ!』

「うるせぇ止めんなバカ!」


ぶつり、と仲茅の制止の言葉なんかには耳を貸さずに電話を切る。
それからインターホンを鳴らすと、大きな日本家屋の中から、一人の大人しい少年が出てきた。

門から玄関までの距離がくてよく分からないが、14、5歳だろう。

茶色いふわふわとしたくせ毛はおそらく自毛だ。

線が細くぱっと見では女にも見えるそいつは、黒縁眼鏡に小豆色のジャージといったどこぞの漫画家のような格好をしていた。





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