「そっか…優ちゃんがクォーターか…そっか…」

「どんだけショックうけてんのよ」


和気あいあい盛り上がる5人には、何だか入り込めない雰囲気がある。
ぼうっとしながらそう考えていると、天原が突然こちらを向いた。


「そうそう!このままじゃ何でここに来たのか分かりませんよね!」


ぽん、と手を叩いて納得したような仕種をする天原の言葉で、来琉さん?と呼ばれる人が「そうだったそうだった」と言った。
それから来琉さんは朽木に言葉を投げ掛けた。


「おい雛春、早く説明しろよ」

「えぇ!おれが?」

「あ?嫌なのか?嫌ってのか?あん?」

「…説明させていただきます!」


これはもう脅しだろ。
朽木は半泣きの状態(これはこれで可愛い)で、俺と爽司に説明を始める。


「えっとですね、二人にこのスタジオに来てもらった理由って言うのは…」


妙にためながら言う朽木にもどかしくなる。
でも照れながらなのが可愛い。かなり。


「おれたちのバンドの演奏を聞いて欲しかったりなんかするんです…け、ど…」



…バンド?





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