「何言い出すんだよ、急に」
「私も、睦也のお婆さんに会いたい。だめ?」
「だめじゃないけど、……婆ちゃんにも聞いてみないと」
「今日はもう遅いから、明日電話して聞いてみようよ」
「いいけど、本気か?」
 うん、そう強く頷く姿に圧倒され、睦也は頷き返してしまった。いや、それだけではない。久しぶりに見た嬉しそうな表情から、その輝きを失わせたくなかった。そして、現状を打破するための、切掛けになるような気がしたのだ。