激しい喉の渇きに目を覚ました。時計の針は六時を指し、店内に流れるクラシック音楽が、爽やかな朝を演出していた。だがそれとは対照的に、睦也の目覚めは最悪だった。備え付けのドリンクバーに行こうと立ち上がると、鋭い痛みが頭の中を駆け抜けた。おまけに、リクライニングチェアをベッド代わりにしていたため、体の節々が痛む。追い打ちをかけるように、飲み過ぎが祟り、胃の中はヘドロが詰まっているかのように気持ち悪かった。
完璧な二日酔いだ。
 どうにかドリンクバーに辿り着くと、立て続けに水を二杯飲んだ。だが、それくらいで症状が緩和されるはずもなかった。もう一度寝るか、シャワーを浴びるかを悩み、シャワーを浴びることにした。寝れば回復するだろうが、起きたときには日が暮れている。