「ただいま。……睦也?」
 扉の閉まる音と共に、ビニール袋が床に置かれる音がした。
「もう、いるなら返事くらい……」
 その表情が一気に曇っていくのが、見なくても分かった。
「ちょっと、何これ」
 睦也の周りを囲むように、空になったビールの缶やウィスキーのボトルが転がっていた。それらを片付けようとする優を制するように、睦也は言い放った。
「これ、見ろよ」
 手元のマウスをスライドすると、スクリーンセイバーを映し出していた画面が素早く切り替わり、睦也は素早く視線を逸らした。