家に彷徨いついた睦也を待っていたのは、孤独だった。窓から射す夕陽のオレンジが、みすぼらしさを引き立てていた。冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出し口にすると、空っぽの胃を強い刺激が襲った。今日一日、何も口にしていなかったのだ。冷蔵庫からハムやチーズを取り出し、それらをつまんだが、空虚な思いだけが、胃の中を満たすだけだった。
 徐々に薄暗さを増す部屋の中、テレビも電気も点けずに、ただ窓の外を眺めていた。部屋の中を照らすのは、街灯の灯りのみ。そしてそれは、前触れもなく襲いかかってきた。