再び携帯がメールの受信を知らせたのは、電車が埼玉を抜け、都内に入ろうとしている頃だった。日はすっかり暮れ、懐かしいネオンライトが目立ち始めていた。
『アドレス変わりましたか? もしメールを見ていたら、返事をください』
返信ボタンを押していた。誰の意志でもない、睦也自身の意思で。
『婆ちゃんが、一昨日の夜亡くなったんだ。遠くからでいい、冥福を祈ってください』
婆ちゃんの期待に答えられるかは分からない。でも、ここからはおれが答えを出すから、安心してじいちゃんのとこに行ってくれよ。
睦也は心の中でそう呟いた。
『アドレス変わりましたか? もしメールを見ていたら、返事をください』
返信ボタンを押していた。誰の意志でもない、睦也自身の意思で。
『婆ちゃんが、一昨日の夜亡くなったんだ。遠くからでいい、冥福を祈ってください』
婆ちゃんの期待に答えられるかは分からない。でも、ここからはおれが答えを出すから、安心してじいちゃんのとこに行ってくれよ。
睦也は心の中でそう呟いた。


