火葬場に移り、棺はおどろおどろしい機械の中に飲み込まれていった。そして二時間もすると、祖母は真っ白な棒と粉になって帰ってきた。
 そのとき初めて、睦也は理解した。婆ちゃんは死んだんだ。もう二度と、あのきんぴらごぼうは食べられないんだ、と。
 さっきまでは形があった。皮膚があり筋肉があり内臓があり骨格があった。だが今は、その骨格すらない。もう、祖母はこの世からいなくなったのだ。
 家に着いた祖母を見届けると、睦也はすぐに駅に向かった。もう一晩泊っていって欲しいという母親の申し出を、迷いなく断り。これ以上この場所にいることは出来なかった。早く一人になりたかった。