「私は睦也さんのようにやりたいことや夢があった訳じゃないし、だからといって高校を卒業してすぐに就職もしたくなかった。後四年間学生をして、その間に夢ややりたいことが見つかればいいな、みつからなくても、就職を後四年は先延ばしに出来る。ただそれだけで入っただけですから」
 睦也は奈々の考えを理解しようとしたが、それは無理だった。だが、睦也も夢ややりたいことが見つからなければ、同じような道を辿っていたかもしれない、漠然とそう思った。
 黙ったままの睦也を見て、奈々は話題を変えた。
「それに、あんなに素敵な仲間がいるじゃないですか」
「大袈裟だよ。みんなバカばっかだよ。悪い奴らじゃないけどさ」