夢のような三日間が過ぎ、九月も押し迫った三十日、いつものようにスタジオ練習を終えると、賢介が切り出した。
「みんな明日は休みだろ? 夏も終わるし、今日は飲みに行こう」
 スタジオの中は冷房がかかっているとはいえ、この時期はまだ大量の汗をかく。乾いた喉に流し込む、冷たい生ビールの喉ごしを想像するだけで、唾が出てくる。三人は、その意見に満場一致で賛成した。
 賢介が先導して歩いていく。いつものスタジオ近くの安い居酒屋ではないのか? 場所を聞いても、「いいとこがあるんだよ」としか答えない。
 そして連れて行かれたのは、駅の反対出口にある、洒落たバーだった。
ちょっと飲むのには大袈裟ではないか? 
 そう思ったが、太輝と秀樹は何も言わずに店内に足を踏み入れていった。