一人で顔を見せに行こうか? 一泊して帰って来るのも悪くはない。だが、半年も経たない内に別れてしまったことを、どうやって説明すればいい? それは酷く億劫だ……。それにこの機会を逃したからといって、最後になる訳ではない。また正月にでも顔を見せに行けばいい。
 睦也は安易にそう結論付けていた。
 そういえば、優のことを久しぶりに思いだしたな。元気にしてるだろうか? 
 気付かない間に優の存在は、潜在意識の奥深くに迷い込み始めていた。それはきっと忙しさからだろう。そして時と共に、もっと深い場所へいき、いつの日か、清らかで輝かしい場所で留まるのだ。
 ちょうど一年前の今頃、優と同棲を始めた。そう思うと、胸が少し痛んだ。だがそこに、生々しい傷跡はなかった。自然と剥がれた瘡蓋の後に、桃色のケロイドが残っているだけで。
 そんな思いにふけっていると、背後から声がした。