待つこと三十分、一時間と過ぎた。さすがに連絡がないのはおかしい。もう店も閉まっている時間だ。それでも、優からの連絡はない。電話をしても留守電に繋がるだけだ。
 事故にでもあったのだろうか? 電車が止まっているのだろうか? 好からぬ想像だけが膨らんでいく。業を煮やした睦也は、思いきって優の勤め先に電話をかけた。