西小山のアパートに着いたのは、十一時を過ぎた頃だった。飲んで帰るとメールしておいたので、時間は問題ない。だが、一体どんな顔をしてこの扉を開けばいいのだ? 厚さ三センチもない鉄の扉が、やけに重く感じた。
「ただいま」
部屋の中からはドライヤーの音が聞こえてきた。風呂あがりなのだろう。
「お帰り。急に飲んで来るなんて、何かいいことでもあったの?」
その真っ直ぐな瞳から、思わず目をそらしていた。
「……どう、したの?」
ただならぬ雰囲気を察した優は、ドライヤーのスイッチを切り、不安そうな視線を送ってきた。正直に話すしかない、睦也は覚悟し、重い口を開いた。
「ただいま」
部屋の中からはドライヤーの音が聞こえてきた。風呂あがりなのだろう。
「お帰り。急に飲んで来るなんて、何かいいことでもあったの?」
その真っ直ぐな瞳から、思わず目をそらしていた。
「……どう、したの?」
ただならぬ雰囲気を察した優は、ドライヤーのスイッチを切り、不安そうな視線を送ってきた。正直に話すしかない、睦也は覚悟し、重い口を開いた。


