「……ちょっと、みんな聞いてる? デビューが確定している訳ではない。まだ候補でしかないの」
その声で睦也は、いや、四人は我に返った。候補でしかなかったのだ。落胆の思いと共に、現実は甘くない、そんなリアルを目の当たりにさせられた。
「僕以外の担当もお抱えのアーティストがいて、その中から選ばれるんだ。もちろん、僕は君たちを候補としてあげている。そのことに関して、異論は?」
ある訳がなかった。それは四人とも一緒だ。そんなことは確かめる必要もない。
「ないようだね。次のライブは他の担当も見に来る。実質、そこで決まると思って。何か質問はあるかな?」
質問? 頭の整理が付かず、それどころではない。そんな中口を開いたのは、賢介だった。
「今回の件が前から計画されていたってことは、最初からそれを見越して、僕らに接触してきたんですか?」
「賢介、どういうことだよ」
太輝の質問に同意するように、睦也と秀樹も首を縦に振った。
「だから、最初からおれらをインディーズデビュー候補の対象として接触してきたんですか、ってこと」
賢介はそんなことも分からないのか? と言うように、早口でまくしたてた。
その声で睦也は、いや、四人は我に返った。候補でしかなかったのだ。落胆の思いと共に、現実は甘くない、そんなリアルを目の当たりにさせられた。
「僕以外の担当もお抱えのアーティストがいて、その中から選ばれるんだ。もちろん、僕は君たちを候補としてあげている。そのことに関して、異論は?」
ある訳がなかった。それは四人とも一緒だ。そんなことは確かめる必要もない。
「ないようだね。次のライブは他の担当も見に来る。実質、そこで決まると思って。何か質問はあるかな?」
質問? 頭の整理が付かず、それどころではない。そんな中口を開いたのは、賢介だった。
「今回の件が前から計画されていたってことは、最初からそれを見越して、僕らに接触してきたんですか?」
「賢介、どういうことだよ」
太輝の質問に同意するように、睦也と秀樹も首を縦に振った。
「だから、最初からおれらをインディーズデビュー候補の対象として接触してきたんですか、ってこと」
賢介はそんなことも分からないのか? と言うように、早口でまくしたてた。


