そんな四人の気持ちなどおかまいなしに、ヒロポンは何食わぬ顔でやってきた。
「練習中に悪いんだけど、外のロビーに来てくれない?」
 防音扉を開いたヒロポンは、スタジオ中に響き渡るような大声を出した。そうでもしないと、アンプからのノイズや、マイクのハウリングなどで、全員に聞こえないのだ。
「練習中にごめんね。僕もこの後が詰まってるし、掻い摘んで話すね」
 ヒロポンを正面に座った四人は、緊張の面持ちで次の言葉を待った。一体、何の話だろうか? 忙しい時間を割いてまでやってきたからには、世間話である訳がない。何か急を要する用件なのだろうか。