翌日の夕方、それぞれの仕事を終えた四人は、賢介の家に集まった。今後の練習や、ライブのスケジュールを調整するためだ。
 四人は顔を合わせるなり、お互いの顔を見て笑い合った。それぞれの目の下には、濃い隅が出来ていたからだ。眠れない夜を過ごしたのは、睦也だけではなかった。最も、睦也の眠れなかった理由は、三人とは異なっていたが……。
「ライブハウスのブッキングは、おれと太輝、秀樹の三人でやるから、スタジオの予約は睦也に任せるんでいいか?」
 賢介の言葉に三人が首を縦に振る。
「一番の問題は、集客をどうやって増やすかだな」
 珍しく太輝が真剣な表情で考え始めた。
「一つ提案なんだけど、ホームページをもっと活用しないか? 今のサイトはあまり更新もしてないだろ。ブログとかも流行ってるし、あんな感じに作り直して、四人が毎日必ず書き込むようにする。既存のファンの人たちともコミュニケーションがとれるし、ライブの度に宣伝すればリピーターにも繋がらないか」
 睦也はバイト中に考えたことを発表した。その意見には三人とも賛成し、ネット環境の整った睦也と賢介で進めることとなった。