家に着き、シャワーを浴び終えた頃には一時を過ぎていた。明日はバイトだ。そろそろ寝なくては。だが、頭は冴えわたり、眠れそうもなかった。諦めて、一人ウィスキーのロックを舐めていると、シャワーを浴び終えた優が隣に座った。
「まだ、起きてたんだ」
「眠れそうもなくってさ」
シャンプーの甘い香りが、口の中のウィスキーを苦くさせた。
「……よかったね、今日。これで夢に一歩近付いたんだよ。ビクターだよ。もの凄い大手だよ。睦也たち頑張ってたもんね。その努力を分かってくれる人が現れたんだね。ヒロポンさんもいい……」
睦也はその唇を唇で塞いだ。
「どうしたの、急に」
怯える優を無視し、無理やり押し倒した。
聞きたくなかった。それ以上は聞きたくなかった。
お前が夢に近づこうとしたとき、おれがどうしたか忘れたのか? だからこれ以上、無理しないでくれ。
睦也は胸の中でそう叫んでいた。
「まだ、起きてたんだ」
「眠れそうもなくってさ」
シャンプーの甘い香りが、口の中のウィスキーを苦くさせた。
「……よかったね、今日。これで夢に一歩近付いたんだよ。ビクターだよ。もの凄い大手だよ。睦也たち頑張ってたもんね。その努力を分かってくれる人が現れたんだね。ヒロポンさんもいい……」
睦也はその唇を唇で塞いだ。
「どうしたの、急に」
怯える優を無視し、無理やり押し倒した。
聞きたくなかった。それ以上は聞きたくなかった。
お前が夢に近づこうとしたとき、おれがどうしたか忘れたのか? だからこれ以上、無理しないでくれ。
睦也は胸の中でそう叫んでいた。


